【5月23日 AFP】フランスの化粧品大手ロレアル(L'Oreal)が偽造品の販売をめぐり米インターネットオークション大手イーベイ(eBay)を商標権の侵害で提訴していた件で、英国ロンドン(London)の高等法院は22日、イーベイに共同責任はないとの判断を下した。

 ロレアル側はイーベイのウェブサイト上でロレアルの商標を使用して偽造品や並行輸入品が販売されていることについて、イーベイに責任があると主張。これに対しイーベイ側は、純粋に取引のプラットフォームを提供しているだけだと反論していた。

 リチャード・アーノルド(Richard Arnold)判事は、「ここ数年で偽造品が徐々に洗練されているのは広く知られていることだ。その結果、専門家でも見た目で偽造品を判別するのは難しくなっており、化学的な分析をしなければ見分けられないケースも多々ある」と説明した。

 イーベイの信用・安全担当部門の責任者、リチャード・アンブローズ(Richard Ambrose)氏は判決を受け、「重大な判決だ。これにより、消費者はイーベイを使って本物の商品を低価格で買い続けられることが保証された。消費者と合法的な商品を毎日イーベイで販売している数千社にのぼる企業の勝利だ」と述べた。

 判決後にイーベイが発表した声明によると、2008年、イーベイに出品された27億点の商品うち、偽造品の可能性があるとされたのはわずか0.15%だったという。フランス、米国、ドイツ、ベルギーでの同様の判決も合わせ、イーベイが安心して買い物をできる場所だということが一層明らかになったとしている。(c)AFP