【5月18日 AFP】パプアニューギニア各地で、前週末から中国系などアジア系の商店が地元住民らの略奪に合う事件が相次いでいる。背景には、急増するアジア系住民への反感があるとみられる。

 前週に首都ポートモレスビー(Port Moresby)や第2の都市レイ(Lae)で中国系商店が襲われる事件があり、これを機に略奪行為が全土に拡大した。

 地元紙ナショナル(National)によると、北部沿岸のマダン(Madang)や東ハイランド(Eastern Highlands)州のゴロカ(Goroka)で中国系商店を襲った略奪集団には、男性に加え女性や子どもも含まれていたという。

 ゴロカの地元警察によると、17日朝に襲われたアジア系商店4軒で略奪された商品は、食料品から冷凍庫、ラジオ、テレビ、洗濯機にまでおよんだ。マダンで16日に襲われた商店のうち2件は、商品の略奪に加え店舗も破壊された。

 ナショナル紙によると、アジア系商店を襲う理由について、略奪に加わった者らは地元での商売は地元住民が経営すべきだと話している。また、中国人経営の店は商品を高い価格で売りつけるなどといった不満も語っているという。 
  
 こうした事態をうけ、各地では警察が中国系商店の巡回警備を強化している。また、各自治体の知事らも、略奪行為を非難する声明を発表。ポートモレスビーを含むNCD(首都圏、National Capital District)の知事は扇動している者たちを非難し、「すべての中国人や中国企業が商店を閉め、パプアニューギニアから引き上げたとしても、国の現状は何も変わらない」と住民に自制を呼び掛けた。(c)AFP