【5月12日 AFP】ドイツ・ボン(Bonn)郊外で11日、学校に火炎瓶で火をつけようとした16歳の少女が、止めに入った生徒をナイフで刺して逃走した。

 少女は11日の午前9時ごろ、覆面をつけてナイフ複数とエアガン、リュックサックいっぱいの火炎瓶で武装し、少女の通うSankt Augustinの中等学校に入った。

 少女は、トイレで同校の生徒を襲撃。学校側は、校内での大量虐殺計画の可能性があるとして警察に通報した。報道によると、襲撃を受け負傷した生徒(17)は、親指を深く切りつけられた。

 学校での大量虐殺事件に対する専門的な訓練を受けた特殊部隊が、武装しヘルメットと防弾ベストをつけて現場にかけつけ、在校生800人に対し、校内スピーカーを通じてドアに施錠して床に伏せるよう指示した。その後、特殊部隊が校内に突入し、在校生らを外へ連れ出した。

 警察は、リュックサックを発見したものの、少女はみつからなかった。地元紙エクスプレス(Express)によると、少女はフォード・モンデオ(Ford Mondeo)に乗って逃走した。

 同紙は、この少女について、ウクライナ人で名前がTanja Oだと報じている。少女は5キログラム分の火薬を所持し、遺書を残していたという。警察は携帯電話情報を利用して逃走中の少女を追跡している。同紙によると、少女はまだSankt Augustin内にいるとみられる。

 事件について、ドイツ検察当局は、少女が学校の放火をねらったことは「あり得る」と述べた。エクスプレス紙によると、負傷した生徒は現在病院で治療を受けている。

 この日は、ウィネンデン(Winnenden)の学校で元生徒のティム・クレッチマー(Tim Kretschmer)容疑者が銃を乱射し15人を殺害した銃乱射事件から、ちょうど2か月目だった。(c)AFP