【3月24日 AFP】英・北アイルランドのアーマー(Armagh)州クレイガボン(Craigavon)で警察官が射殺された事件の実行犯として逮捕・起訴された17歳の少年の裁判が24日、ベルファスト(Belfast)南西部リスバーン(Lisburn)の裁判所で行われる。

 事件は、クレイガボンで9日、勤務中だったスティーブン・キャロル(Stephen Carroll)巡査が射殺されたもので、警察は事件との関連で身柄を拘束していたこの少年を、殺人および殺人目的の銃器所持の罪で23日午後、起訴した。

 少年はこのほかにも、非合法組織「IRA継続派(Continuity IRA)」に所属した罪、「テロリスト」に有利な情報収集の罪でも起訴された。

「IRA継続派」は、カトリック過激派アイルランド共和軍(Irish Republican ArmyIRA)の分派で、キャロル巡査殺害で、犯行声明を出している。

 北アイルランドで英国人警察官の殺害事件が起きたのは、過去10年間で初めて。また、事件のわずか2日前には、英陸軍基地が襲撃され兵士2人が死亡する事件が起きている。

 2つの事件については、北アイルランド自治政府および、英国、アイルランドの議員らが、非難声明を発表しているが、包括和平合意の後、落ち着きを取り戻していた北アイルランドが、1998年の包括和平まで30年におよぶ暴力の応酬が続いた紛争時代に再び逆戻りするのではないかと懸念されている。(c)AFP