【3月19日 AFP】(一部更新)ドイツ南部シュツットガルト(Stuttgart)近郊のウィネンデン(Winnenden)で11日起きた銃乱射事件で、容疑者の少年(17)が犯行の理由を「楽しいから」と語っていたことが、18日明らかになった。

 これは、ウィネンデンのアルベルトビレ(Albertville)実家学校で生徒や教師に向けて銃を乱射したティム・クレッチマー(Tim Kretschmer)容疑者が直後にハイジャックした車の持ち主の男性が、背中に銃を突きつけられたままの2時間にわたる「恐怖のドライブ」の様子を、週刊誌「シュテルン(Stern)」3月19日号のインタビューで明かしたもの。

 イゴール・ウォルフ(Igor Wolf)さんによると、路上に車を停めて妻を待っていたところ、クレッチマー容疑者が後部ドアをいきなり開けて乗り込んできて、ウォルフさんの顔に銃を突きつけ「出せ、早く!」と指示した。

 背中に銃を突きつけられたまま運転させられたフォルフさんが、40キロにわたる移動の途中、クレッチマー容疑者に「何でこんなことをするんだ?」とたずねたところ、同容疑者は「楽しいからさ。これは楽しいよ」と答えた。また、ウォルフさんに「別の学校を見つけられるかな?」と聞いたという。

 クレッチマー容疑者は、「母校でもう15人殺してきた。でもまだ終わっちゃいない」とも話していたという。

 ウォルフさんは途中で逃げることも考えたが、ほかの犠牲者が出ることを恐れた。「信号で停まった時、ドアを開けて走って逃げようかと思った。でも、道には通勤する人たちがいたし、ベビーカーを押した女性や子どもたちもいた。もしわたしが逃げたら、彼(容疑者)はどうしたと思う?」

 最終的に、ウォルフさんは故意に車をぶつけて停め、キーを持って逃げた。クレッチマー容疑者はその後、徒歩で逃げたという。(c)AFP