【1月22日 AFP】オーストラリア北部沿岸沖で17日、巨大なアイスボックスに乗って漂流していた男性2人が豪当局に救助されたが、2人は雨水と海鳥が吐き出す魚だけで25日間生き延びたと話しているという。シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)紙が21日、報じた。

 2人は22歳と24歳の男性で、ミャンマー出身とみられ、ヘリコプターで17日に救助された。現在も豪移民当局の事情聴取を受けている。当局は、サメが多数生息する海域を、2人がどのようにして漂流してきたのかを明確にしたいとしている。

 男性らの話によると、前年12月23日に恐らくインドネシア海域で、乗っていた全長10メートル・木製のタイの漁船が大波を受け、難破。タイ人とミャンマー人の乗組員18人が海に放り出された。2人はその後、雨水を飲み、通りがかる海鳥が吐き出す小魚を食べて飢えをしのいだと話しているという。

■2人の主張には疑問も

 ただ、この「奇跡のサバイバル物語」には疑問の声も出ている。

 オーストラリアン(Australian)紙が匿名筋の情報として伝えた、2人が20日に退院したクイーンズランド(Queensland)州の病院の医師らの話よると、2人の健康状態は彼らが主張するとおり1か月近く自然の猛威にさらされたと考えると「注目に値する」。2人には日焼けもなく、唇も荒れておらず、長期間にわたって野外にいたと認められる兆候は全くないという。

 一方、サバイバルに詳しい軍関係者はAAP通信社(Australian Associated Press)に対し、人間が生きるためには定期的に淡水を摂取しなければならず、2人の主張が正しいとするとアイスボックス内は海水や死んだ魚などに汚染されていない清潔な状態だったことになると指摘。25日もの間アイスボックスに海水が入らない状態で漂流することはありえないと述べているという。(c)AFP