【1月3日 AFP】飲み代を死ぬまで無料にしてもらう代わりに自分が通っていたバーのオーナーに自宅アパートを破格の安値で売却した後死亡したアルコール依存症だった男性の遺族が、契約の無効確認を求めて起こしていた裁判で、ギリシャの控訴裁判所は原告の訴えを認める判決を下した。

 2日の現地紙エレフセロティピア(Eleftherotypia)によると、この男性(当時62)はバーの飲み代を死ぬまで無料にしてもらい、かつ自分が死ぬまで家賃を払わずにその部屋に住む権利を持つという条件で3万3000ユーロ(約420万円)の価値があった自宅アパートをバーのオーナーに6500ユーロ(約83万円)で売却した。

 この取引で、男性がバーにツケにしていた900ユーロ(約11万5000円)は帳消しとなり、オーナーは男性が死ぬまで飲み物を無料で提供することを保証した。しかし4年後にこの男性が死亡した後、男性の兄弟が裁判所に訴えていた。

 裁判所は、取引条件は著しく不均衡で、男性のアルコール依存につけ込んだ破廉恥な行為だったと述べた。(c)AFP/Sakher Abu El Oun