【12月9日 AFP】ギリシャの首都アテネ(Athens)で15歳の少年が警官に射殺された事件をきっかけに、全土に広がった抗議行動は4日目となった。アテネでは8日夜、暴徒化した若者など87人が逮捕された。

 若者のグループが暴徒化し、市内を破壊しているアテネでは9日、当局が多くの道路を封鎖した。抗議の参加者のなかには、警官を刃物や武器販売店から盗んだスリングショット(パチンコ式の武器)で襲った者もいたという。同日には警官の発砲で死亡した少年の葬儀が行われる予定で、さらに激しい抗議行動が予想される。

 過去数十年で最悪の暴動になっている事態を受け、コスタス・カラマンリス(Costas Caramanlis)首相は、国民に挙国一致での対策を呼び掛けた。

 封鎖されたアテネ市街では、市の職員らが燃やされたごみ箱や割られて散ったガラス、歩道からはがされた敷石などをかたづける姿がみられた。市当局は、緊急の用事がない限り市中心部へ近づかないよう市民に呼び掛けた。(c)AFP/John Hadoulis