【12月5日 AFP】仏パリ(Paris)の米系高級宝飾店「ハリー・ウィンストン(Harry Winston)」に4日午後5時30分(日本時間5日午前1時半)ごろ、武装した4人組の強盗団が押し入り8000万ユーロ(約94億円)相当の宝石類が奪われた。捜査当局が5日、明らかにした。被害額ではフランス史上最高の強盗事件になる。

 強盗団はシャンゼリゼ(Champs Elysees)通りに近いパリ中心部のモンテーニュ通り(Avenue Montaigne)にある同店舗に押し入り、店内の宝石類のほとんど全てを強奪した。4人の男のうち2人は女装しており、武器で脅しながら従業員と客を店の一角に集め、宝石を袋に詰めて逃走した。犯行は短時間で終わったが、犯人に殴られた従業人もいたという。

 強盗団は、店員数人の氏名や、店頭に展示していない宝石類の保管場所まで熟知していたことから、警察は内部関係者が関与した疑いもあるとしている。
  
 同店では前年10月にも強盗事件が発生しており、1000万ユーロ(約11億7000万円)相当の宝石類が奪われている。保険会社は50万ドル(約4600万円)の賞金をかけて情報提供を求めたが、犯人はまだ見つかっていない。

「ハリー・ウィンストン」は、世界各地で店舗を展開しており、顧客リストには各国の王室が名を連ねる。また、カンヌ国際映画祭(Cannes International Film Festival)やアカデミー賞(Academy Awards)授賞式などのイベントに出席する映画俳優らに、宝石類の貸し出しも行っている。(c)AFP