【12月2日 AFP】イラクで行われていた1991年のイスラム教シーア(Shiite)派住民大量虐殺をめぐる裁判で、故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領のいとこで側近だった「ケミカル・アリ(Chemical Ali)」こと、アリ・ハッサン・マジド(Ali Hassan al-Majid)元国防相に2日、2件目となる死刑判決が言い渡された。

 同じくフセイン大統領率いるバース(Baath)党で当時、イラク南部の幹部だったAbdulghani Abdul Ghafor al-Ani被告にも死刑判決が下された。

 マジド被告および同じく元国防相のスルタン・ハシム・タイ(Sultan Hashim al-Tai)被告、フセイン政権下のイラク国防軍の作戦次長だったフセイン・ラシド・ティクリーティー(Hussein Rashid al-Tikriti)被告の3人は、1988年のクルド人虐殺事件(アンファル作戦)における「人道に対する罪」で、2007年6月に死刑を言い渡された。

 マジド被告以外の2人も1991年の事件について裁かれていたが、2日の判決はアンファル(Anfal)事件での裁判よりも軽く、タイ被告に禁固15年、ティクリーティー被告には終身刑が宣告された。

 さらに91年の事件で被告となっていたほかの元フセイン政権高官11人については、3人に終身刑、5人に禁固15年が言い渡され、3人は無罪となった。

 91年のシーア派住民虐殺では、侵攻していたクウェートから、米軍によってイラク軍が敗走を余儀なくされた後、南部でシーア派住民が蜂起したが、イラク軍に数万人が虐殺されたとされる。(c)AFP