【10月24日 AFP】米国の由緒あるサーカス団「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス(Ringling Bros. and Barnum & Bailey Circus)」が、サーカスの象を虐待したとして訴えられた裁判がワシントンD.C.(Washington D.C.)連邦地方裁判所で27日に始まる。

 元団員や動物愛護活動団体の米国動物虐待防止協会(American Society for the Prevention of Cruelty to AnimalsASPCA)や動物福祉協会(Animal Welfare InstituteAWI)が、リングリング・サーカスがショーに出演させているアジアゾウに虐待を加えているとして、同サーカス団と親会社のフェルド・エンターテインメント(Feld Entertainment)を訴えたもの。
 
「地上最大のショー(The Greatest Show on Earth)」と銘打った公演の訓練で、サーカス団がゾウの調教に手鉤(かぎ)を使用したことや、鎖に数日間繋いでいたことなどが「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律」に抵触するかが争点となる。

 原告側は27日の公判で、目撃者証言や、ビデオ証拠映像、ゾウの生態専門家による証言などを提出する構えだ。

 ASPCAの法律顧問を務めるリサ・ワイスバーグ(Lisa Weisberg)氏は、リングリング・サーカスでは手鉤のような鋭利な器具を用いたゾウの調教が日常的に行われていたと述べた。

 また、原告団の一員で1997年から99年まで同サーカスの団員だったトム・ライダー(Tom Rider)氏も、「ゾウたちはショーに出演中以外は、常に鎖に繋がれていた」と主張している。(c)AFP