【10月21日 AFP】トルコ・イスタンブール(Istanbul)近郊シリブリ(Silivri)の収容施設の裁判所は19日、イスラム系政権の転覆を計画した罪に問われている86人に対する審理を開始した。

 開廷直後、弁護団が、法廷が狭く業務を適切に遂行できないと抗議したため判事は休廷を命じた。法廷は被告の支援者や傍聴人、報道関係者で一杯だった。

 再開後、裁判所は再拘留された46人の証言を先に行うとした。残りの被告は別の回に証言する。

 いわゆる反イスラム秘密組織「エルゲネコン(Ergenekon)」に対する今回の事件で、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相が率いるイスラム系の与党、公正発展党(AKP)支持者と強硬派世俗主義者との間で緊張が高まっている。後者は今回の事件を反対派に対する政府支援による抑圧とみている。

 被告は退役軍人、左派政治家、ジャーナリスト、世俗主義団体メンバー、学識者、犯罪組織関係者らが含まれ、テロ組織への所属や反政府武装闘争の扇動、放火、武器の不法所持など約30の罪について答弁する。

 被告は、2007年6月にイスタンブールで手りゅう弾が見つかった事件の関連捜査で逮捕された。捜査は現在も継続中で、拘留中の者も含めてほかにも容疑者が複数いる。(c)AFP/Nicolas Cheviron