【9月23日 AFP】(一部更新、写真追加)フィンランドの職業訓練校の校内で23日、銃乱射事件が発生した。フィンランド警察は、10人が死亡、また自殺を図った容疑者も死亡したと発表した。

 犯行に及んだのはこの学校の学生、マッティ・ユハニ・サーリ(Matti Juhani Saari)容疑者で、銃撃後に自殺した。

 事件が起こったのは首都ヘルシンキ(Helsinki)から約360キロの同国南西部カウハヨキ(Kauhajoki)の職業訓練校。STT通信によると、約200人の学生が通う。校内にいた学生は建物の外に退避させられた。

 フィンランド国営放送(YLE)によると、サーリ容疑者が午前11時(日本時間午後5時)ごろから約1時間半に渡り襲撃した。警察は死亡した10人は全員学生だとみている。

 同校のTapio Varmola校長は、「警察からマッティ・ユハニ・サーリが容疑者だと聞かされた。調理科の2年の生徒だ」と語った。

 YLEの取材に応じた教員のRaimo Kytoelaeさんによると、約10人の学生が撃たれた。学校から火の手が見えたという目撃者もいた。

 フィンランド政府は現地時間午後1時(日本時間午後7時)に緊急対策会議を招集した。

 アンネ・ホルムルンド(Anne Holmlund)内相の談話によると、容疑者は動画投稿ウェブサイト「ユーチューブ(YouTube)」に射撃場でポーズを取る自分のビデオ映像を投稿し、前日警察の事情聴取を受けていた。

 しかし、尋問を担当した警官は、銃所持免許を無効にする必要はないと判断したという。容疑者は22口径の短銃の仮免許を取得していた。

 フィンランドでは前年11月にもヘルシンキ(Helsinki)北郊のJokela中学校で同様の乱射事件があり、18歳のペッカ・エリック・オービネン(Pekka-Eric Auvinen)容疑者は生徒6人と校長、保健士を殺害した後、自殺した。

 この事件の後フィンランド政府は銃規制の強化に動いたが、スイスのジュネーブ高等国際問題研究所(Graduate Institute of International Studies in Geneva)が前年公表した調査によると、フィンランドは米国、イエメンに続き、世界で3番目に銃の保有率が多い国になっている。(c)AFP