【9月8日 AFP】イスラエル警察は7日、同国のエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相を2件の汚職容疑で起訴するよう勧告した。

 警察は声明を発表し、オルメルト首相が米実業家から現金の入った封筒を受け取ったとの疑惑に関して、収賄の容疑で起訴できるだけの十分な証拠が集まったとした。また、自身や家族の私的な海外旅行のために、不正に取得した資金を使っていたとの容疑に関しても起訴できると判断した。

 2件の汚職は、首相就任前のエルサレム(Jerusalem)市長や通産相在任中の13年間に行われたとされる。

 警察の勧告は、検察当局に送られる。検察は証拠を精査した上で、検察による勧告を出す。警察、検察双方が起訴を勧告したとしても、首相を起訴するかどうかの最終判断はMenahem Mazuz検事総長に委ねられる。最終判断は、数週間以内に下されるとみられている。

 オルメルト首相はいずれの疑惑についても否定しているが、世論の圧力ですでに辞任の意向を示しているため、今回の警察の決定は同首相の今後の政治活動には大きな影響はないものとみられている。

 一方、オルメルト首相の弁護士はこの勧告を無意味だとしてはねつけた。(c)AFP/Ron Bousso