【7月14日 AFP】中国南西部の貴州(Guizhou)省甕安(Wengan)県で6月28日に発生した暴動に関与したとして、警察は新たに100人を拘束した。国営通信が14日報じた。

 この暴動では、同県在住の17歳の少女が暴行後に殺害されたとみられる事件について、警察が真相を隠ぺいしたと抗議する約3万人が自治体庁舎周辺に集まり、庁舎や車両に放火などして暴徒化した。

 北京五輪を控え、調和と安定のとれた国家として自らを描きたい中国共産党指導部にとって、この時期に発生した暴動は国内の社会的緊張を露呈するものとなった。

 警察は少女の死の真相を隠ぺいしたとの疑惑について、繰り返し否定している。一方で、前週解任された甕安県警のShen Guirong本部長は、警察関係者と地元暴力団との関係や、警察による反体制派弾圧なども今回の暴動発生の一因となったと述べた。

 暴動直後から当局は、抗議の参加者を暴力団が煽って暴動に発展させたと非難し、暴動を撮影したビデオテープの収集を開始した。貴州日報(Guizhou Daily)は14日、警察が100人を拘束し、うち39人は地元マフィアとの関係が疑われていると報じた。先に拘束されていた570人の容疑者についても現在、捜査が進行中だという。

 同紙によると、そのほかの犯罪行為の容疑者を拘束する準備も進行中で、うち最大で90人は暴力団関係者だという。

 一方で地元住民らは、暴動の大半は殺害された少女の同級生らが、真犯人は地元高官の息子だと主張して起こしたものだと述べている。

 しかし、Shen元本部長は、暴動発生の原因の一端は、警察内部の腐敗や、同県で以前発生した暴動を警察が暴力的に鎮圧したことなどだと述べた。

 Chinese News Weeklyでのインタビューで同元本部長は、「地元警察官はギャングの、特に幹部をよく知っている。治安部隊内部の人間の中には、彼らと通じている者も確実にいる」と答えた。また、地元では集団行動が起こるたびに警官隊が動員されていたことも、地域コミュニティの怒りを買っていたと述べた。(c)AFP