【7月11日 AFP】(一部更新)北朝鮮の観光地、金剛山(Mount Kumgang)で11日、韓国人観光客の女性が北朝鮮兵士に銃で撃たれ死亡する事件があった。韓国統一省高官が明らかにした。統一省はこれを受け、同観光地へのツアーを暫定的に中止すると発表した。

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースが政府関係者の話として伝えたところによると、亡くなったのはパク・ワンジャ(Park Wang-Ja)さん(53)で、午前4時半ごろ、ゴルフコース付近を散歩しているうちに軍の立ち入り禁止区域に迷い込んでしまい、胸部と足を撃たれた。

 遺体は、軍事境界線近くの韓国・束草(Sokcho)の病院に搬送されたという。

 北朝鮮南東部にある金剛山は、1998年に南北和解の象徴として韓国資本による開発が行われて以来、人気の観光地となっているが、銃撃事件が起きたのは初めて。

 一方、李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領は同日の国会演説で、李政権誕生後、冷え込んだままの南北関係の修復を目指すべく、北朝鮮に対話の再開を呼び掛けている。

 大統領府によると、李大統領は、演説前に韓国人射殺事件を知っていたが、内容は変更せずに演説を決行したという。(c)AFP/Park Chan-Kyong