【5月23日 AFP】一杯飲んだ後に自転車で帰宅するのが好きな人は、考え直したほうがいいかもしれない――酒気帯びで自転車に乗った場合、自動車の運転免許をはく奪されることもあるとの判断を、ドイツの裁判所が21日示した。

 ドイツ連邦行政裁判所は、ベルリン(Berlin)近郊で酒気帯びで自転車に乗っていた男性が、法定値の4倍以上のアルコールが検出されたとして運転免許証を取り消された事件について審理した。 

 医学検査の結果、この男性は大酒飲みで、路上の障害物に対処できないほど酔うことがたびたびあった可能性が高いことが判明した。地方裁判所が男性の免許取り消しをくつがえしたため、ベルリン市当局が控訴していた。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)内閣は、交通事故死の削減を目指し、違反行為に対する厳罰化を定めた複数の法案を承認している。

 政府によると2009年以降の各種交通違反について、酒気帯び運転の罰金上限額は現在の2倍以上の3000ユーロ(約49万円)以下に、信号無視の罰金は2000ユーロ(約33万円)になる。速度違反についてもより高額の罰金を科すという。法案は今後、議会で承認される必要がある。

 ただ、今のところドイツの高速道路「アウトバーン」の速度無制限区間に速度制限を導入する動きは出ていない。(c)AFP