【5月21日 AFP】故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元イラク大統領の側近で、外相なども務めたタレク・アジズ(Tareq Aziz)元副首相(72)の公判が20日、バグダッド(Baghdad)の米軍管理区域グリーンゾーン(Green Zone)内の高等法廷で始まった。元副首相は、1992年にバグダッドの商人42人を処刑したとして人道に対する罪で起訴されており、有罪が確定すると死刑判決が下される可能性がある。

 アジズ元副首相の公判は4月にいったん始まったが、弁護団の1人が出廷できなくなったことから、元副首相は新たな弁護士の任命を要求、これを受け、裁判所側は同日までの公判延期を決定していた。

 アジズ元副首相は同日、ほかの7人の被告とともに入廷したが、元副首相の弁護人は姿を見せなかった。

 ヨルダンのアンマン(Amman)に在住する息子のZiad Aziz氏によると、元副首相の弁護を引き受けた海外の弁護団に、イラク入国のビザが発給されなかったという。

 検察官のAdnan Ali氏は、 アジズ元副首相と、すでにクルド人虐殺の罪で死刑判決を受けているフセイン元大統領の側近の「ケミカル・アリ(Chemical Ali)」ことアリ・ハッサン・アルマジド(Ali Hassan al-Majid)元国防相を含むほかの被告人に対し、起訴事実の要旨を読み上げた。

 しかし、フセイン元大統領の裁判も担当したRauf Rasheed Abdel Rahman裁判長は、証人の証言が予定されている21日まで公判を延期することを決定した。(c)AFP/Amal Jayasinghe