【4月30日 AFP】(一部更新)中国国営の新華社(Xinhua)通信は30日、中国北西部青海(Qinghai)省で28日、警察官とチベット(Tibetan)独立派とみられるチベット族の間で銃撃戦となり、チベット族1人を射殺したと伝えた。この銃撃戦で警察官1人も死亡した。チベットをめぐる一連の事態のなかで、当局がチベット族を射殺したことを公式に認めたのは今回が初めて。

 新華社が青海省の治安当局の話として伝えたところによると、中国の警官隊がチベット独立派グループの幹部を逮捕しようとしたところ銃撃戦に発展。警察官1人が死亡し、グループの幹部も警官隊によって射殺されたという。このグループは、ラサ(Lhasa)での暴動に続いて、3月21日にチベット族を扇動して同省でも暴動を起こそうとしていたとされ、警察当局が捜査を進めていた。

 新華社は死亡した警察官の名前をLama Cedainと伝えているが、射殺されたチベット族の名前は明らかにしていない。

 中国政府は、一連の暴動での死者は20人で、いずれもチベット族の「暴徒」に責任があり、中国当局による暴動鎮圧による死者は1人も出ていないと主張していた。これに対し、チベット亡命政府は、チベット自治区で中国統治に反対する暴動が発生した3月10日以来、中国軍や警察による大規模な弾圧で、200人以上が殺害されたとしている。(c)AFP