【4月28日 AFP】オーストリアの警察当局は27日、自分の娘を24年間自宅の地下室へ監禁し、性的暴行を加え7人の子どもを産ませてとしてJosef Fritzl容疑者(73)を逮捕した。

 同容疑者の娘(42)は1984年8月28日、東部アムシュテッテン(Amstetten)近郊の自宅で、麻酔で眠らされた後、手錠をかけられ地下室に閉じこめられた。

 娘は失踪(しっそう)者として認定され、国際刑事警察機構(InterpolICPO)による捜査も開始された。両親に対し、捜索を中止するよう求める手紙が届いたことから、地元当局はある宗教団体に拘束されていると結論づけていた。

 被害者は、父親から繰り返し暴行を受け、7人の子どもが誕生した。うち双子の1人が誕生直後に死亡し、遺体はその後、焼却されたとみられている。現在、被害者と生存している6人の子どものDNA鑑定が行われている。

 生存している6人は5-20歳で、少年3人、少女3人。このうち、Josef容疑者は少年2人と少女1人を正式に養子に迎えている。

 事件が明るみに出たのは、娘の1人(19)が今月半ばに重体で病院に搬送されたことがきっかけとなった。

 被害者は捜査当局に対し、母親は、被害者が監禁される約7年前の11歳のときから、父親に性的暴行を受けていたことを全く知らないと話しているという。

 国営オーストリア放送会社(ORF)によると、被害者と子ども5人は現在入院中で、心理学の専門チームが治療を行っているという。また被害者は精神的に衰弱しており、著しく情緒不安定だという。

 オーストリアで、親や大人によって子どもが監禁される事件は、この数年で3件目。(c)AFP/Luc Andre