【3月10日 AFP】インド警察は9日、外国人観光客でにぎわうリゾート地ゴア(Goa)で英国人少女の遺体が発見された事件との関連で、地元のカフェ従業員のインド人男性を逮捕した。

 事件は、前月18日、家族とともに英国から休暇でゴアを訪れていたスカーレット・キーリング(Scarlette Keeling)さん(15)の遺体が同地のアンジュナ(Anjuna)ビーチで発見されたもの。遺体には多数のあざがあり、衣服が一部はぎ取られていたという。

 現地警察は事件との関連で容疑者3人の身柄を拘束し取り調べていたが、このうち同ビーチのカフェに勤めるサムスン・ドゥスーザ(Samsung D’Souza、29)容疑者が遺体が発見される数時間前にキーリングさんと共にいるところを目撃されていたことから、同容疑者を逮捕した。

 ドゥスーザ容疑者とキーリングさんが「親密な行為を行っていた」との匿名目撃者による供述が逮捕の決め手となった。警察側では、こうした行為が両者の合意があるなしに関わらず、未成年に対する暴行事件として捜査を進めていると語った。

 また、他の2人の容疑者についても、引き続き身柄を拘束して事情聴取を行っているほか、現場のビーチを頻繁にうろついていた男性4人の行方を追っているという。

 当初、キーリングさんの死因は溺死とされていたが、週末に行われた最新の検死解剖の結果、殺人事件であることが判明し、さらなる捜査が急がれていた。

 一方、キーリングさんの母親のフィオナ・マッキューン(Fiona MacKeown)さんが警察当局が事件をもみ消そうとしていると主張していることについて、地元警察は「警察の職務に基づき的確に捜査を行った」として、これを否定した。

 マッキューンさんは、キーリングさんの遺体に多数のあざがあったことを指摘し、アラビア海の荒波にもまれた溺死とする当初の検視結果を不満として再検査を求めていた。

 第1回目の司法解剖で発見されたあざの数は5つだったが、最新の検視の結果、あざの数は50を超え、うち半数はキーリングさんが生存している時のものであることが分かった。

 マッキューンさんの弁護士は、キーリングさんの死は暴行によるものと主張している。(c)AFP