【3月3日 AFP】デンマークで先月29日、水鉄砲で銀行強盗をした80歳の男が現行犯逮捕され、警察の保護勾留下に置かれた。警察発表によると、男は自分の取引銀行に借り越し分の分割返済を申し込み、拒まれて犯行に及んだという。

 男の氏名は明らかにされていないが、ドイツ出身でデンマークに50年近く在住しているという。犯行当時は黒っぽいサングラスをかけ、つえを携行していた。

 男は28日、デンマーク西部のビボー(Viborg)にある銀行シドバンク(Sydbank)の支店に押し入り、窓口係に水鉄砲を向けて、少額の現金を渡すよう丁重に命じたという。地元の複数のメディアは、男が「心配しないで。だれも撃ちませんから」と言ったと伝えた。

 男は約3万クローネ(約60万円)の入った袋を持って逃走したが、銀行から約300メートル離れたところで警察に制止された。それまでに、袋の中に行員が入れた強盗追跡用のインクカートリッジが破裂し、現金はもちろん、男の衣類や靴は赤い塗料に染まっていた。

 男は取り調べに対し、入居している老人ホーム内で新たに入居した部屋を改装工事し、口座残高がマイナスになったが、依頼した返済プランを立てることを銀行側が拒否したことから犯行を計画したと話している。警察によると、男が押し入った銀行が、男が口座を持つ銀行であるかどうかはまだ確認できていない。

 29日、裁判所に出頭した男は判事に「恥ずかしくて、アパートには帰りたくない」と述べ、喜んで勾留処分を受け入れた。(c)AFP