【2月18日 AFP】腎臓を移植用に密売していたグループを捜査していたインド警察は18日、主犯としてすでに逮捕されている容疑者の兄弟1人と、別の共犯者1人を逮捕したと発表した。このグループは違法な腎臓移植で数百万ドル(数億円)の利益を上げたとみられている。

 事件は前月、腎臓の提供をもちかけられた失業者数百人のうちの1人が、インドのニューデリー(New Delhi)近郊にある高級住宅地グルガオン(Gurgaon)で警察に訴え出て発覚した。
 
 国際刑事警察機構(InterpolICPO)の国際指名手配に基づき、ネパールで今月初旬、インド国籍の医師Amit Kumar容疑者(43)が逮捕された。さらにインド連邦警察は17日、Kumar容疑者の兄弟であるJeewan Rawat容疑者をニューデリーで逮捕した。インド中央捜査局(Central Bureau of InvestigationCBI)高官によると、同容疑者は「生命に対する罪および越境犯罪」のかどで国際指名手配されていた。 

■警察関係者も事件隠匿の見返り賄賂受け取り

 今回の事件ではニューデリー警察の関係者ら数人にも、事件を隠ぺいしようとしたKumar容疑者から賄賂を受け取った疑いがもたれている。これまでに警察幹部1人が逮捕され、そのほか6人の関係者についても現在調査中だと報じられている。賄賂の額は総額で200万ルピー(約540万円)程度とみられている。

 先に逮捕された医師のKumar容疑者について、インド国内の新聞は「ドクターホラー(恐怖の医師)」と通称をつけ報道している。Kumar容疑者は、貧しい人々数百人を脅したり騙したりして強制的に入手した腎臓を、移植を希望する裕福なインド人や外国人に販売して数億円騒動の利益を得たとみられている。武器により重傷を負わせたとして傷害、不法監禁、詐欺などの罪が問われている。

 インドでは生体腎移植は、血縁のつながる親族か配偶者が腎臓を提供した場合、あるいは腎移植を必要とする2家族同士がお互いの家族間で腎臓を提供しあう場合のみが合法と限定されている。また、移植を受ける者は全員、政府による認可を必要とする。しかし、需要と供給に大きな差がある一方で、亡くなったドナーからの提供(献腎移植)も少なく、腎臓売買が闇のビジネスとして発達する現状を生み出している。(c)AFP