【1月17日 AFP】米連邦大陪審は16日、パキスタンの銀行を通じて国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に資金援助を行っていた団体とつながりがあるとして、元共和党下院議員のMark Deli Siljander被告(57)を起訴した。

 米司法省の声明によると、Siljander被告はミズーリ(Missouri)州に本部を置く「Islamic American Relief AgencyIARA)」に対する起訴状に名前を連ねているという。同被告は、1981-1987年にミシガン(Michigan)州選出の下院議員を務め、現在は広告宣伝企業を経営している。

 起訴状には、米政府がテロリストに指定しているグルブディン・ヘクマティアル(Gulbuddin Hekmatyar)容疑者への資金援助に関与した罪で42の訴因が列挙されている。Siljander被告はマネーロンダリング(資金洗浄)、共同謀議、司法妨害の罪に問われている。

 IARAは2003年と2004年、パキスタンのペシャワル(Peshawar)にある銀行の口座に約13万ドル(約1400万円)を送金。送金先は児童養護施設とされているが、この施設はヘクマティアル容疑者が所有・管理する建物に入居していた。同容疑者はイスラム教原理主義の「イスラム党(Hizb-i-Islami)」党首で、アフガニスタン東部またはパキスタン国内に潜伏中とみられている。

 ヘクマティアル容疑者はイスラム武装勢力の指導者で、1980年代はソ連のアフガニスタン侵攻に抵抗するため米政府から支援を受けていた。1990年代に一時、アフガニスタンの首相を務め、当初は旧支配勢力タリバン(Taliban)に対抗していたが、2001年10月に米国がアフガニスタンに侵攻すると、タリバン側に寝返った。(c)AFP