【12月7日 AFP】5日に発生した米ネブラスカ(Nebraska)州オマハ(Omaha)のショッピングモールで男が買い物客らに向けて銃を乱射し8人が死亡した事件で、犯行後自殺したロバート・ホーキンス(Robert Hawkins)容疑者(19)は「有名になりたい」との内容のメモを残していた。

 ホーキンス容疑者は高校を中退し、逮捕歴や精神疾患での通院歴があったが、一時は立ち直りつつあった。ところが、長く交際していた恋人と別れ、売上金から17ドル(約1900円)を盗んだとしてマクドナルド(McDonald)を解雇されてから人生が一変した。

 同容疑者に部屋を貸していたDebora Maruca Kovacさんによると、一目でわかるほど落ち込んだ様子だったが、犯罪の兆候は見受けられなかったという。

 Kovacさんは米テレビ局CBSの取材に対し「彼に初めて部屋を貸した時は、おびえ寂しがっていて、迷子になった子犬のようだった。暴力的な人間ではなかった」と語った。

 ホーキンス容疑者は14歳のころから問題行動を起こすようになり、両親がリハビリ施設の費用負担が不可能になったことから、州が同容疑者の後見人となった。

 ネブラスカ州の保健当局によると、ホーキンス容疑者は精神疾患と薬物乱用の治療を数年間受けた後、犯罪を犯し養護施設に短期間収容されたこともあったという。その後、18歳になる直前に父親に引き取られたが、そこでの生活も長くは続かなかった。

 友人の話によると、ロビー(Robbie)と呼ばれていたホーキンス容疑者は、両親から言うことを聞けないなら出て行くよういわれ家出してからは、普通の生活をとりもどしつつあったという。

 ホーキンス容疑者は事件の1時間前にKovacさんに電話をかけ、動揺した様子で解雇されたことを伝えてきた。Kovacさんは「家で話し合おう。たいした問題じゃないよ」と語りかけたが、同容疑者の答えは「もう遅いよ」とというものだった。

 Kovacさんによると、ホーキンス容疑者は自分は友人や家族のお荷物で、そんな自分に嫌気がさしていると語った。また、Kovacさん一家が今までしてくれたことに感謝している、メモを残したから見てくれなどと話したという。(c)AFP