【12月5日 AFP】日本籍タンカー「ゴールデン・ノリ(Golden Nori)」が10月28日にソマリア沖で海賊に乗っ取られた事件で、米海軍は4日、米軍艦艇2隻が同タンカーを包囲して監視下に置いていることを明らかにした。

 バーレーンを拠点とする米中央海軍司令部の報道官は、同タンカーへの補給を阻止することで、海賊の投降を促す意図を明らかにした。また、「乗員とタンカーの安全が最優先」としたうえで、海洋における法秩序の維持も米海軍の役割だと強調した。

 乗っ取られた当時、「ゴールデン・ノリ」はシンガポールからイスラエルへ可燃性ベンゼン数万トンを運搬する途中で、ミャンマー人やフィリピン人、韓国人など乗員23人が乗船していた。

 ソマリア沖では海賊事件が頻発しているが、前週末にコモロ船籍の貨物船が解放されており、現在も海賊の手中にある船舶は「ゴールデン・ノリ」だけとなった。

「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ大陸の先端にあるソマリアは不安定な情勢下にあり、周辺の沖合では米軍主導の多国籍軍部隊が海賊の取り締まりを行っている。(c)AFP