【11月2日 AFP】赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)および国連児童基金(UNICEF)は1日、共同声明を発表し、フランスの慈善団体が密出国を図った子ども103人の多くは戦災孤児ではないとする調査結果を明らかにした。

 共同声明によると、103人の子どものうち91人は「最低1人の扶養者がおり、家庭環境がある」という。赤十字国際委員会のAnna Schaaf報道官は「孤児と見なすことはできない」と指摘する。同報道官によると、聞き取り調査を行った結果、子どもたちの大半はスーダンのダルフール(Darfur)地方から越境してきた孤児ではなく、地元のチャド人であることが判明したという。

 フランスの援助団体「ゾエの箱舟(Arche de Zoe)」が子どもをフランスへ密出国させようとした事件では、これまでに19人が逮捕されている。
うちフランス人9人(団体メンバー6人、ジャーナリスト3人)が「市民権を侵害する目的で未成年を誘拐した罪」と「詐欺罪」で正式に起訴され、子どもの連れ出しにかかわったとされるチャーター便のスペイン人7人も共謀罪で起訴されている。

 さらに国境付近のAdreから、現在団体メンバーが拘束されているアベシェ(Abeche)まで子どもを空路で運んだとして、ベルギー人パイロットも10月31日起訴された。

 団体メンバーは誘拐の容疑を否認し、ダルフールの戦災孤児を救う慈善行為であると反論している。(c)AFP