【10月28日 AFP】英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)は27日、ロンドン(London)で殺害されたロシア連邦保安局(FSB)の、アレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏が、通称MI6として知られる英秘密情報部(Secret Intelligence ServiceSIS)の工作員だったと報じた。

 殺害に関与したとされるアンドレイ・ルゴボイ(Andrei Lugovoi)氏は、モスクワ(Moscow)でただちに同紙の報道を支持するコメントを発表。ロシアの複数の通信社によると、ルゴボイ氏は今年5月にした主張を繰り返し、リトビネンコ氏はMI6のスパイで、MI6が同氏の死に関与していると語ったという。

 一方、英政府はリトビネンコ氏殺害の容疑者として、ルゴボイ氏の身柄引き渡しをロシア側に要求している。

 匿名の外交筋および情報部筋の話として、同紙は、前年11月に放射性物質により殺害されたリトビネンコ氏が、死亡時にMI6から毎月約2000ポンド(約47万円)の報酬を受けていたと報ている。

 また同紙は、モスクワに駐在していたこともあるMI6のジョン・スカーレット(John Scarlett)長官が、リトビネンコ氏の採用に関与していたとも伝えた。

 リトビネンコ氏の妻マリナ・リトビネンコ(Marina Litvinenko)さんはこの報道について「ばかげてる」と退けた。(c)AFP