9月26日 AFP】米ユタ(Utah)州Saint Georgeの裁判所は25日、14歳の少女にいとことの結婚や性行為を強要したとして婦女暴行ほう助など2つの罪に問われていた「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派(Fundamentalist Church of Jesus Christ of Latter Day SaintsFLDS)」の教祖、ウォレン・ジェフス(Warren Jeffs)被告(51)に、有罪の評決を言い渡した。

 検察側は、ジェフス被告が少女の意思に反して19歳のいとことの結婚と性行為を強要したと主張。一方、被告側弁護人は、同被告は少女に対して通常の助言をしただけと述べていた。当時14歳だった少女は、現在21歳になっている。

 判決は後日言い渡されるが、終身刑判決が下る公算が高い。

 ユタ州のMark Shurtleff検事総長は、ジェフス被告に対する有罪判決は、婚姻を強要しようとする者に対する警告の役目を果たすと語っている。

 同被告は、別の少女2人が親族と結婚した件でも婦女暴行および近親相姦に加担したとして、アリゾナ(Arizona)州で4つの罪で起訴されている。

 FLDSの信者は、米国のユタ州、ネバダ(Nevada)州、アリゾナ州、テキサス(Texas)州、コロラド(Colorado)州、サウスダコタ(South Dakota)州のほか、カナダのブリティッシュコロンビア(British Columbia)州にも在住している。

 一夫多妻制(重婚)を支持するFLDSは、同制度をめぐる見解の違いから100年以上前にモルモン教会から分離した。ジェフス被告は自身を「預言者」と称し、信者らは同被告をイエス・キリスト(Jesus Christ)の子孫だと信じている。

 一夫多妻制は今回の裁判の争点ではない。だが、重婚はモルモン教の教義に反し、米国内では違法である。そのためFLDSの信者らは、今回の裁判は教団の一夫多妻制を裁こうとするものだと主張している。

 同被告は、米連邦捜査局(FBI)の「10大重要指名手配犯リスト」に名を連ねた後、2006年8月にラスベガス(Las Vegas)郊外で逮捕された。(c)AFP