【9月23日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)で16日、米民間軍事会社ブラックウオーター(Blackwater)の要員が関与する銃撃戦が発生、イラクの民間人が射殺された事件について地元の目撃者たちは、ブラックウオーター側が理由もなく先に銃を発射したと強固に主張している。

 捜査担当官が23日、明らかにしたところによると、イラク警察および内務省は、目撃者情報による事件調書を作成中で、資料の中には射殺事件発生数分後に警官が撮影したビデオ映像も含まれるという。

 事件は16日、バグダッド西部のスンニ派(Sunni)居住区、ヤルムーク(Yarmukh)地区にある交通の密集した交差点で発生、イラクの民間人10人が死亡した。

 ある当局者はAFPの取材に対し「(ブラックウオーターに雇われた)米国人たちは、護衛していた(米大使館の)車列がまず小規模の銃撃に遭ったとしているが、これはまったくのでたらめだ」とし、「われわれが尋問した目撃者は誰もそんな攻撃について語っていない」と述べた。

 さらに「警察がデジタルカメラで撮影した射殺事件発生直後のビデオ映像が、少なくとも1本ある。これには犠牲者が映っており現在解析中だ」と明かした。事件当時、周辺には多数の人がいたため、ほかにも携帯電話などで撮影された発砲当時の映像が存在する可能性を否定しなかった。

 同当局者は「ブラックウオーターの要員たちは、何の理由もなく通行中の運転者たちに向けて発砲した。一発の攻撃だって受けるいわれのない人たちをだ」と強く主張した。

 ブラックウオーター側は、同社要員たちが発砲する前に、武装集団が車列を銃撃したと主張している。(c)AFP