元ロシア情報員アレクサンドル・リトビネンコ氏の妻、マリナ・リトビネンコ(Marina Litvinenko)さん(2007年6月15日撮影)。(c)AFP/Kraft Angerer
【6月30日 AFP】元ロシア連邦保安局(FSB)情報局員アレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏毒殺事件をめぐり、リトビネンコ氏を通じて英国の情報機関に勧誘されたとする別の元ロシア情報員が現れた。29日、NTVでインタビューが放送された。
元ロシア情報員のVyacheslav Zharko氏は、ロシアの政治情勢と2004年にウクライナで起こったオレンジ革命の「分析」のため、MI6として知られる英秘密情報部(Secret Intelligence Service、SIS)に雇われていたという。
Zharko氏によると、MI6はリトビネンコ氏を通じて接触を図ったという。
「リトビネンコ氏が『情報を買ってくれる英国人を知っている。あなたをロシア政府の情報通として紹介するから、一緒に来てまじめな顔をしているだけでいい』と言ったのでわたしはその通りにした。すると英国は金を出した」
当時、情報機関に所属しておらず、機密情報を入手できなかった同氏はインターネットを利用したという。
「インターネットから得られる情報を分析し、いくらかの推測を付け加えて報告書を作成した。英国民がわたしの幻想に対価を支払ったとしても、わたしがそれを止める理由はない」
Zharko氏は月に2000ユーロ(約33万円)を受け取り、2か月に1度、第3国を経由してイスタンブールへ渡り連絡者と面会したという。
また、Zharko氏はMI6情報員として、少なくともマーティン・フリント(Martin Flint)氏、ポール・キャラハン(Paul Callaghan)、ジョン・キャラハン(John Callaghan)、レオ・キャラハン(Leo Callaghan)の4人の英国籍の人物を挙げた。ジョン・キャラハン氏は1998年から2001年までMI6で外交問題に携わっていたことが知られている。Zharko氏によると英国側は「モスクワの英大使館内でロシア情報機関のスパイを捜していた」という。
さらにZharko氏は、ロシア政府に批判的な亡命中のロシア人実業家ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)氏や英情報員とも電話で会話したことを明らかにした。ベレゾフスキー氏はユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)氏らに定期的に送金するなどウクライナのオレンジ革命を影で支援していたという。
リトビネンコ氏はロシア政府の強烈な批判者で、亡命中のロンドンで2006年11月に放射性毒物によって死亡した。
この事件で英国は、旧ソ連国家保安委員会(KGB)元将校のアンドレイ・ルゴボイ(Andrei Lugovoi)氏を第1容疑者としてロシア政府に身柄引き渡しを要求しているが、ロシア側はこれを拒否しており、外交問題にも発展している。
一方、ルゴボイ氏は先月モスクワで記者会見を開き、リトビネンコ氏殺害には英情報機関が関与しており、自分も英国情報機関に勧誘されたと主張した。
今週始めにFSBは、先月のルゴボイ氏の記者会見を受けてロシア国籍の人物が名乗り出たことを明らかにしていた。FSBによるとZharko氏は生命の危険を覚えて告白したという。
インタビューでZharko氏は「わたしは英政府に協力できて光栄だったが、それは過去のことだ」と述べている。(c)AFP
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