【6月25日 AFP】オーストラリア紙ヘラルド・サン(Herald-Sun)の記者2人が、取材源の秘匿を理由に裁判所が求めた証拠開示を拒み法廷侮辱罪に問われていた裁判で、ビクトリア州裁判所は25日、それぞれに7000豪ドル(約74万円)の罰金を課す有罪判決を下した。服役刑は見送った。

 マイケル・ハービー(Michael Harvey)記者と、ジェラルド・マクマナス(Gerard McManus)記者は、2004年に同紙に掲載された政府の退役軍人の恩給削減計画を暴露した記事をめぐって、情報をリークしたとして起訴された政府関係者の裁判で証拠開示を拒んでいた。

 この記事は野党議員らの反発を招き、政府は結局、退役軍人の恩給として5億ドル(約526億円)を増額する予算案を認めない方針を撤回している。

 判決に対し、国内のメディアからは警戒の声が相次いだ。

 ジャーナリストの労働組合Media, Arts and Entertainment Allianceは、2人の記者は政府の内部告発者に対する脅しを狙ったキャンペーンの犠牲になったと主張し、今回の判決に抗議した。

 同組合のクリス・ウォレン(Chris Warren)氏はオーストラリアン(The Australian)紙に、「ジャーナリストが取材源を秘匿する権利は、民主主義の根幹をなすものだ。否定されるということは、政府の公式発表しか報道できないということだ」と語った。(c)AFP