【ソウル/韓国 18日 AFP】バージニア工科大学(Virginia Tech University)の銃乱射事件の犯人が韓国人学生であったことから、韓国内では、動揺が広がっている。盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo-Hyun)大統領は18日、こうした事態を受け、対応を話し合う緊急会議を招集した。

 事件では、同大学4年生の韓国人学生チョ・スンヒ(Cho Seung-Hui)容疑者(23)が16日、校内で銃を乱射して32人を殺害後、自殺した。

 大統領府の報道官によると、盧大統領は事件に大きな衝撃を受けており、18日午後に哀悼を示す3度目の声明を発表する予定という。

 国内新聞各紙は、第1面で事件を報じた。警察当局が犯人の国籍を公表するのが遅かったため、犯人に言及した記事は少ない。ハンギョレ新聞(Hankyoreh)は、「この事件を機に韓国人やアジア人に対する差別・偏見が広がらないことを望む」との社説を唯一掲載した。

 盧大統領は、先に発表した声明で、米国在住の韓国人に対し、今後予想される困難を「賢明に乗り切る」よう呼び掛けた。複数の政府高官も、犯人が韓国人であったことの影響について、懸念を表明している。

 米国は、韓国にとって、韓国の1948年の建国以来の同盟国であり、米国には現在数百万人の韓国人が居住している。

 写真はソウルで、事件を第1面で伝える18日付け新聞各紙。(c)AFP/JUNG YEON-JE