
【ロンドン/英国 28日 AFP】元ロシア人スパイのアレクサンドル・リトビネンコ氏(Alexander Litvinenko)氏が殺害された事件で、英国警察当局が故リトビネンコ氏の夫人に対し、十分な証拠はそろっているものの、主犯2人は起訴を免れる可能性が高いと説明したことが明らかとなった。
英紙「サンデータイムズ(Sunday Times)」が情報筋の話として伝えたところによると、警察当局は、主犯とされる旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員アンドレイ・ルゴボイ(Andrei Lugovoi)氏と実業家のドミトリー・コフトゥン(Dimitri Kovtun)氏の身柄引き渡しにロシア側が応じる可能性はないとの見方を示しているという。
■ ロシア政府が殺害に関与か
ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領政権を批判していたリトビネンコ氏は、2006年11月23日、ロンドン(London)市内の病院で死亡。リトビネンコ氏の関係者は、ロシア政府が殺害に関与したとして非難した。
死亡したリトビネンコ氏からは、放射線物質ポロニウム210が検出されている。同氏は2006年11月1日、ロンドン市内のミレニアム・ホテル(Millennium Hotel)でルゴボイ氏、コフトゥン氏と共に紅茶を飲み、同日、ホテル近くのすし店でイタリア人学者と会食、その後体調不良を訴えた。
英スカイTV(Sky TV)や米ABCテレビは26日、警察当局の話として、致死量を上回る放射線物質はホテルで飲んだ紅茶に混入されたと伝えている。
■ 報道一転、身柄引き渡しの可能性は薄い
一部英紙は、プーチン批判を展開して英国に亡命している政商ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)氏と交換条件にルゴボイ氏の身柄引き渡しにロシア側が応じると伝えているが、ロシアの検察当局はこれを否定した。再三にわたってリトビネンコ氏殺害への関与を否定しているルゴボイ氏の裁判は、ロシアで行われる見通しだ。
サンデータイムズ紙によると、リトビネンコ氏の母Nina Belyavskayaさんは、プーチン政権を批判しても「何もいいことはない」から、批判をやめてタクシー運転手になるよう説得していたという。
写真は、放射線物質混入現場とみられるミレニアムホテル前に停車している警察の車両(2006年11月25日撮影)。(c)AFP/LEON NEAL
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