【イプスウイッチ/英国 20日 AFP】英警察当局は20日、英国東部サフォーク(Suffolk)州で発生した売春婦連続殺人事件の容疑者に対する正式な取り調べを開始した。
■多くのメディアが容疑者2人を実名で発表
警察は容疑者の氏名や拘留している警察署を発表していないが、多くのメディアは、1人目の容疑者は元特別巡査で、現在はスーパーマーケットに勤務するTom Stephens容疑者(37)、2人目はトラック運転業を営むSteve Wright容疑者だと報じた。
報道によると、最初に逮捕された Stephens容疑者は、ノーフォーク(Norfolk)州で特別巡査として1990年代に勤務。その後、イプスウイッチでタクシー運転手を始めたとされる。
Wright容疑者はイプスウイッチの北の町Mendlesham在住で、職業についてはフォークリフト作業員とトラック運転手との報道があり、イプスウイッチのロンドン・ロードへ事件の3か月前、パートナーと共に引っ越してきたとされる。
容疑者2人は、12月2日から12日の間に遺体が発見された女性5人全員の殺害への関与が疑われている。警視による取調べの結果、1人目については36時間の拘留延長が、2人目についても、12時間の延長がすでに決定された。
英国の刑法では長期拘留が不可能で、拘束から2、3日以内に告訴か釈放を決定する必要があるため、当局は敏速な取調べを迫られている。そのため北アイルランドを含む全国31か所の警察署から派遣された350人を加え、約500人の体制で捜査が進められている。
■多岐にわたる捜査が続くが、増えるのは謎ばかり
一方で、被害者らが売春を行っていた同州の港町イプスウイッチ(Ipswich)の赤線地帯および近隣の村Trimleyでは、それぞれの容疑者の家宅捜査が進んでいる。
また警察は家族ら関係者からも事情徴集している。イプスウイッチ近郊の港町フェリックストウ(Felixstowe)にあるWright容疑者の実家で、私服警官2人の訪問を受けた父親のコンラッドさん(72)はサン(Sun)紙の取材に対し、2001年以降会っていない自分の息子について、「こんな連続事件を犯せるほど賢いとは思えない。犯人の知性はSteveにはないと思う。息子に人を殺せる能力はない」と述べた。
デイリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙はある警官の言葉を引用し、「2人は直接つながりはない」と報じ、タイム(The Times)紙は別の警官が、「2人目の容疑者逮捕が重要だ」と述べたと報じた。
また、イプスウイッチ刑事裁判所の検視官は同日、被害者5人のうち4人の死因究明を行う検視を開始した。しかし、警察の捜査が続行中のため、検視はすぐに中断された。残る1人の検視は前週、開始している。5人の遺体には共通して、目立つ傷跡や死亡前に性的暴行を受けた跡がないことから、同一犯による連続殺人が疑われた。
事件は1975年から80年の間に女性13人を殺害した「ヨークシャー・リッパー(Yorkshire Ripper)」ことピーター・サトクリフ(Peter Sutcliffe)や、1888年にロンドンのイーストエンドで5人を殺害した「ジャック・ザ・リッパー(Jack the Ripper)」と比較されて報じられている。
写真は写真は殺害された被害者の女性たち。(c)AFP/SUFFOLK POLICE