【7月30日 AFP】イタリア南部ナポリ(Naples)近郊の高速道路で起きたバスの転落事故から一夜明けた29日、現場近くの学校では、悲しみに暮れる遺族らが霊柩車に乗せられて次々と運び出される犠牲者の遺体を見送った。この事故では38人が死亡しており、西欧での過去10年のバス事故としては最悪のものとなった。

 犠牲者35人の遺体は、現場近くのモンテフォルテイルピーノ(Monteforte Irpino)の学校体育館に並べられ、校舎前では地元の聖職者が追悼式を執り行った。別の3人の遺体は、地元の病院に安置されている。

 事故は、イタリア南部のナポリとバーリ(Bari)を結ぶ交通量の多い高速道路で、28日夜に起きた。地元検察当局は、過失致死の可能性があるとみて捜査を開始している。

 子供を含む48人を乗せたバスは、ナポリから約50キロのアベリノ(Avellino)近郊で、数台の車に衝突した後、高架橋のガードレールを突き破って落下した。

 警察は、運転手を含む38人が死亡したと発表したが、マウリツィオ・ルピ(Maurizio Lupi)運輸相は死者数を39人としている。事故ではまた、バスの乗客10人と、バスが衝突した車に乗っていた9人が負傷している。既に転落現場からは、バスの残骸が完全に撤去されている。

 事故は、ここ10年に西欧で起きたものとしては最悪の死者数を出した。また近年に欧州全域で起きたバス事故としては、2010年10月にウクライナで45人が死亡した事故に次ぐ規模となった。(c)AFP/Ella Ide