【7月22日 AFP】米国では30分に1人の割合で子供がテレビの落下によって負傷しているという研究結果が22日、米小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」に発表された。薄型テレビの人気の高まりに伴い、緊急治療室を訪れる患者数が増えているという。

 研究によると、1990~2011年にテレビを原因とする米国内の18歳以下の負傷事例のうち、テレビ本体の落下によるものは52%だった。しかし、90年には年間5455人だった落下による負傷者数は、2011年には1万2300人と倍増した。

 この間、緊急治療室で処置を受けた子供の患者は計38万885人で、年平均で1万7000人を超える。

 研究によれば、米国では90年以降、テレビを2台以上所有する家庭が2倍以上増えた。一方、テレビラックなどから落下したテレビによる負傷はこの20年間で3倍に増加したという。研究チームは、古いテレビが部屋の隅へ追いやられ、たんすや化粧台といった安定の悪い場所に置かれていることを一因として挙げている。

 また、画面部分に重心があり前に倒れやすい薄型テレビの人気が高まっていることも、もう1つの要因だと指摘している。薄型テレビはデザインがすっきりし軽量になった分、ブラウン管テレビよりも倒れやすく、それがテレビの落下に関連した負傷率の増加につながっている可能性があるという。

 先行研究では、2000~11年にテレビの落下によって215人の子供が死亡したという調査結果が示されている。(c)AFP