【5月28日 AFP】(一部更新)ヒマラヤ高峰ダウラギリ(Dhaulagiri、8167メートル)で邦人女性を含む登山家らが行方不明となっていた事故で、登山計画の主催者は28日、67歳の邦人女性とネパール人ガイド、50歳のスペイン人男性の死亡を確認したと発表した。

 主催者が死亡を確認したのは、登山家の河野千鶴子(Chizuko Kono)さんとみられるコウノ・チズコさん、ネパール人ガイドのダワ・シェルパさん、スペインのホアンホ・ガラ(Juanjo Garra)さんの3人。3人は21人編成のグループで登山していたが、24日に行方が分からなくなっていた。

 登山計画主催者のティカ・グルング(Tika Gurung)氏はAFPの取材に「24日午後、ガラさんがスリップして足首を骨折し、歩けなくなった」と語り、時刻も遅くなっていたため、すぐに救助することは出来なかったと付け加えた。

「ガイドのケシャブ・グルング(Keshab Gurung)さんが夜通しガラさんに付き添い、翌日になってヘリコプターでの救助を試みたが、高度が高すぎて無理だった」と主催者のグルング氏は語った。ガイドのグルングさんは現在、カトマンズ(Kathmandu)の病院で治療を受けている。

 一方、コウノさんとダワ・シェルパさんは標高7700メートル付近で死亡した。詳細は分かっていないという。

 グループの他のメンバーは全員無事だという。

 ヒマラヤ登山に関する統計を集めた「ヒマラヤン・データベース(Himalayan Database)」によると、ダウラギリでは多くの登山家が命を落としている。

 気候が最も安定する5月はヒマラヤ登山のベストシーズンで、数百人もの登山家たちがヒマラヤ高峰の頂を目指す。だが、今シーズンに入ってから、世界最高峰エベレスト(Mount Everest、8848メートル)では、すでに8人が死亡。世界3位の高峰カンチェンジュンガ(Kanchenjunga、8598メートル)でも5人が行方不明となっている。

 エベレストでは、1953年にエドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary)卿とシェルパ(山岳ガイド)のテンジン・ノルゲイ(Tenzing Norgay)氏が初登頂に成功して以来、300人以上が命を落としている。(c)AFP