【7月6日 AFP】2009年にブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)から仏パリ(Paris)に向かう途中、大西洋に墜落し乗客乗員228人全員が死亡したエールフランス(Air France)AF447便の事故で、仏航空事故調査局(BEA)は5日、計器故障と操縦士の準備不足が重なったことが原因だとする最終報告書を発表した。

 事故機のフライトレコーダーは事故発生の約2年後の2011年まで発見が遅れ、事故原因をめぐっては、事故機を製造したエアバス(Airbus)とエールフランスの間で最終的な責任がどちらにあるかで論争が起きていた。

 今回の最終報告によれば、事故の引き金となったのはピトー管と呼ばれる速度計の誤作動だった。仏タレス(Thales)が製造していたこの機器は、現在ではエアバス機から全て取り外されている。

 これに加え、高ストレス下にあった操縦士らが問題に適切に対処できなかったことが、事故原因と指摘された。BEAの調査責任者アラン・ブイヤール(Alain Bouillard)氏によれば、操縦士らは状況認識ができておらず通常の手順を続けることに固執し、その結果、状況をほぼ全くコントロールできなくなっていたという。

 報告書は、異常時に適切に対処できるよう機体システムをより詳しく理解するため、操縦士の訓練が非常に重要だと指摘している。(c)AFP/Delphine Touitou