【10月30日 AFP】自動車事故の際、女性のほうが男性よりも負傷しやすいのは、自動車の安全装備が男性を念頭に設計されているからだとする論文が、20日の医学誌「米公衆衛生ジャーナル(American Journal of Public Health)」に発表された。

 米バージニア大学(University of Virginia)とスペイン・ナバラ大学(University of Navarra)の3人の研究者は、過去10年に米国で発生した自動車事故のデータを分析。その結果、シートベルトを装着していたにもかかわらず重傷を負った確率は、女性のほうが男性より47%高いことが分かった。

 これまでの他の研究では男女間の運転方法の違いに着目していたが、今回の結果を受けて研究者らは、安全装備の設計に問題があるのではないかと述べている。たとえば、ヘッドレストの位置は、女性の首の細さや強さが男性と異なる点に配慮していない。また、女性は男性より背が低いため、下肢にけがをするリスクが高いという。

 このような男女の差異に対応するには「厚生政策と車両法規において、特に女性の安全性に考慮した設計に重点的に取り組み、負傷リスクの公正な低減を図らなければならない」と指摘している。(c)AFP