【10月8日 AFP】ニュージーランド北島のタウランガ(Tauranga)沖で今週座礁したコンテナ船から流出した油の除去作業を支援するため8日、ニュージーランド海軍が出動した。

 ニュージーランド海事局(Maritime New ZealandMNZ)によると、コンテナ船「レナ(Rena)」号(4万7000トン)はプレンティー湾(Bay of Plenty)沖のサンゴ礁で座礁して船体は激しく損傷した。油膜は長さ5キロの範囲に広がっている。

 汚染封じ込め作業を支援するために、ニュージーランド海軍は艦船4隻を派遣。さらに油膜が沿岸に到達した場合に備え、海岸線での除去作業のために要員500人を待機させている。

 すでにこれまでの有害物質流出で多くの海鳥が死んでいる。プレンティー湾の浜や島で油まみれで見つかったコガタペンギン5羽とヨーロッパヒメウ2羽は現在、治療を受けている。

 レナ号は燃料として重油1700トンを積んでいる。ニュージーランド政府は、もしレナ号がサンゴ礁に沈没すれば、同国史上最悪の海洋汚染事故になりうると警戒している。来週は現地の天気が悪化すると予想されているため、燃料の抜き取りが最優先課題になっている。

 現場のプレンティー湾は、ニュージーランドの中でも自然環境の宝庫とみなされている。2つの海洋保護区があり、クジラやイルカ、ペンギンなどが生息している。レナ号が座礁しているサンゴ礁は沖合22キロ付近にあり、油膜はまだ沿岸に達してはいないものの、MNZのコンピューターのシミュレーションによると、数日のうちに到達する恐れがある。(c)AFP/Neil Sands