【10月1日 AFP】文部科学省は30日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の敷地外の土壌から、微量のプルトニウムが検出されたと発表した。

 6~7月に福島第1原発から80キロ圏内の100か所の土壌を調べたところ、6か所でプルトニウムが検出された。プルトニウムは福島第1原発の敷地内ではすでに見つかっていたが、敷地外で見つかったのは今回が始めて。

 検出されたプルトニウム238の最大濃度は、原発から約30キロ離れた福島県浪江町で1平方メートルあたり4.0ベクレルだった。福島第1原発から約45キロ離れた福島県飯舘村でも同0.82ベクレルのプルトニウム238が検出された。

 文部科学省によると、日本では大気圏内核実験によるプルトニウムは以前から検出されていた。1999~2008年に日本の土壌サンプルで検出されたプルトニウム238の平均濃度は0.498ベクレルで、福島原発事故前の最高値は8.0ベクレルだった。今回の測定値は過去の測定値の範囲内であることから、文部科学省はプルトニウムによる被ばく量は非常に小さいとしている。

 プルトニウムはウランから原子炉内で生成される。専門家によると、人体に入ると長期間体内にとどまって臓器や組織が放射線を受けるため、がんなどを発症するリスクが高まる。(c)AFP