【8月26日 AFP】福島第1原子力発電所の事故でこれまでに放出されたセシウム137の量が広島の原爆168.5個分に相当すると政府が試算していたことが、東京新聞の25日の報道で明らかになった。

 同紙によると、試算は菅(Naoto Kan)内閣が衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出していたもので、セシウム137の放出量は、メルトダウンした福島第1原発1~3号機が1万5000テラベクレル(テラは1兆)、広島原爆が89テラベクレルだった。

 ただ、政府は特別委に対し、「原子爆弾は爆風、熱線、中性子線を放出し、大量の殺傷、破壊に至らしめるもの。放射性物質の放出量で単純に比較することは合理的ではない」と、福島事故と広島原爆との比較自体には否定的な考えを示しているという。(c)AFP