【7月31日 AFP】香港(Hong Kong)の英字紙サンデー・モーニング・ポスト(Sunday Morning Post)は31日、中国当局が、高速鉄道列車事故についての報道を禁止する通達を出したと伝えた。

 サンデー・モーニング・ポスト紙によると、共産党の中央宣伝部は29日、「肯定的な報道、もしくは当局の発表以外」の事故報道を禁止した。国営メディアまでもが異例の政府批判を掲載した後のことだった。

 23日の列車衝突事故では少なくとも40人が死亡、200人が負傷した。事故を受け、中国当局が急ピッチで進める高速鉄道網開発へ疑問の声が上がっている。

 突然の通達を受け、ポスト紙によると中国経営報(China Business Journal)では紙面のうち8ページ分の記事を削除した。また、新京報(Beijing News)では同じく9ページ、21世紀経済報道(21st Century Business Herald)では12ページ分を削除したという。

 報道禁止令に反発した記者や編集者たちは、ツイッター(Twitter)に似た中国のサービス「新浪微博(Sina Weibo)」で、締め切り直前になって空白を埋めるために別の記事を書かされたと事情を説明し、紙面に載せられなかった元の記事を投稿した。

 ある記者は、同サービスで「午後10時に、空白を埋めるための記事を書けと命じられた。日がかわった頃には、抑えきれなくなって泣きだしてしまった」と語った。

 報道規制は事故後これで2度目。これに先立ち、米国を拠点にする中国関連のニュースサイト「チャイナ・デジタル・タイムズ(China Digital Times)」が、中国当局が事故の翌日、地元記者に取材禁止命令を出したと伝えている。(c)AFP

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