【7月19日 AFP】今月5日にソウル(Seoul)の39階建ての高層ビル「テクノマート(TechnoMart)」が10分間にわたって揺れ、数百人がパニックになって逃げ出した騒動で、韓国の専門家は19日、揺れの原因がスポーツジムで行われたエクササイズレッスンだったと発表した。

 研究者によると、試験の結果、同ビルの12階にあるジムで行われていたエクササイズ「タエ・ボー(Tae Bo)」のグループレッスンによる揺れが、ビルの構造全体に広がったことが分かったという。タエ・ボーは、エアロビクスのようなエクササイズで、ボクシングやテコンドーなどの格闘技の要素を取り入れたハイペースな運動だ。

 ソウル郊外の龍仁(Yongin)にある檀国大学校(Danguk University)のChung Lan教授は、ラジオ番組で、鉄骨とセメントで建設された同ビルの固有振動数とエクササイズの振動が一致したことが原因だったと説明した。建物の固有振動数と、別の発生源からの振動が一致すると、破滅的な結果になる可能性があることが分かっている。Chung教授ら7人の研究チームが、5日の振動発生時と同様に17人の中年のグループにエクササイズをしてもらったところ、5日と同様の揺れが発生したという。

 5日の現象発生時には、10分間にわたってビルが揺れ、数百人が建物から避難した。当局は調査のため同ビルを閉鎖していたが、専門家が同ビルの構造の健全性を示したことを受けてジム以外の閉鎖が解除されていた。

 関係者や報道陣の前で19日に専門家が実証実験を行ったところ、5日と同様の揺れが生じた。テクノマートの広報担当者は、「19日の実証実験に参加した人の中には、大きな揺れを感じたと言う人もいれば、それほど強い揺れは感じなかったと言う人もいた」という。

 現地の当局者は、「試験の結果次第ではスポーツジムの営業はすぐに再開できるかもしれない。だが、この建物でのタエ・ボーのレッスンは禁止したほうがよいかもしれない」とAFPに語った。(c)AFP

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