【4月3日 AFP】米サウスウエスト航空(Southwest Airlines)は2日、同社のボーイング(Boeing)737型機が前日の飛行中に胴体に穴が空いて緊急着陸したことを受け、同型機79機を点検すると発表した。2日は、同型機を使う予定だった同社の約300便は全て欠航になる見通し。

 サウスウエスト航空によると点検はボーイングと共同で行い、特に航空機外板の金属疲労について調べる。点検には数日かかる見通しだという。

 乗客118人乗員5人を乗せて米アリゾナ(Arizona)州フェニックス(Phoenix)からカリフォルニア(California)州サクラメント(Sacramento)に向かっていたサウスウエスト航空812便は1日、高度3万6000フィート(約1万970メートル)を飛行中に突然外板が裂けて機内の気圧が下がり、アリゾナ州ユマ(Yuma)に緊急着陸した。

 この事故で客室乗務員1人と、少なくとも1人の乗客が軽傷を負って手当てを受けた。乗客のデビー・ダウニー(Debbie Downey)さんは米CNNに、銃声のような大きな音が聞こえた後、客室に風が入ってきたと語った。「夫と私が見上げると青い空が見えました。それからケーブルやワイヤも。2人で顔を見合わせて、なんてことだ、大変なことが起きた、と」

 同じく乗客のショーナ・レッデン(Shawna Redden)さんは米フォックス・ニュース(Fox News)に、状況が分かるまでの数分間は「心臓が胸から飛び出しそう」で、携帯電話で夫に最後になるかもしれないメールを打とうとしたところ、隣の席の見知らぬ乗客の手を握っていたことに気付いたと語った。「そして、どうにか無事に下りられるようひたすら祈りました」

 米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)と米連邦航空局(Federal Aviation AdministrationFAA)が、この事故の調査を進めている。(c)AFP