【1月31日 AFP】英スコットランド・ハイランド地方にある標高1094メートルの山で29日、登山中の男性が山頂から約300メートル滑落しながら、幸運にも一命を取り留める事故があった。

 グラスゴー(Glasgow)出身のアダム・ポッター(Adam Potter)さん(35)は、24人の登山隊の一員としてSgurr Choinnich Morを登山していたところ、足を踏み外し、東側斜面のほぼ垂直な岩場を滑り落ちた。

「滑りやすく、凍結の多い区域に入った途端、滑ってしまった。あっというまに加速して、何とか勢いを削ろうと試みたがそのたびに崖の端から飛び出して、またスピードが出てしまった。やっと止まりかけたとき、最後の崖が見え、それを飛び越えたんだ」とポッターさんは滑落当時の様子を生々しく語った。

 滑落事故発生から35分後、かけつけた英海軍の救助ヘリコプターの乗組員が崖下に立って地図を見ている男性を発見。「ポッターさんのはずがないと思った」と驚きとともに語った。「本当に信じられない。文字通り岩をかすめながら、ほとんど飛ぶように落下したのだろう」

 救急医療士によると、ポッターさんのけがは皮膚表面の擦り傷と打撲、胸部の軽傷のみとみられるが、極度の精神的ショックと生き延びたことへの安堵(あんど)でふるえていたという。ポッターさんはその後、グラスゴーの病院に搬送された。(c)AFP