【11月24日 AFP】ニュージーランド南島のパイク・リバー(Pike River)炭鉱で19日に起きた爆発事故で坑内に取り残された作業員29人の安否が懸念されていたなか、24日に2度目の大きな爆発があり、警察は「生存者なし」との判断を下した。

 この発表に、5日前の事故発生から現場で救援活動を見守っていた作業員の家族のなかには、悲しみのあまり泣き叫んだり床に倒れこんだりする人もいた。警察発表によると、2度目の爆発が起きたのは24日午後2時37分(日本時間同日午前10時37分)で、爆発の原因は不明。
 
 ニュージーランドでは100年来で最悪となった今回の炭坑事故にあった作業員29人には、ニュージーランド人のほか、オーストラリア人2人と英国人2人が含まれている。最年少は今回が初めての炭鉱での仕事となった17歳の少年で、最高齢は62歳のベテラン作業員だった。

 1回目の爆発で坑内に充満した高濃度の有毒可燃性ガスのため、救助隊員が坑内に入ることはできなかった。何度も中断しながら徐々に坑道に達する穴を貫通させたが、その結果、坑内には様々な有毒ガスが充満し、酸素はほとんどないことが明らかになっていた。

 また、坑内に遠隔操作のロボットが投入された。1台目は故障したが、2台目は坑道を1キロほど進んだところで今回の事故から生還した作業員2人のうちの1人が着用していたヘルメットを発見した。ヘルメットはヘッドライトが点灯した状態で落ちていたという。(c)AFP/Neil Sands