【5月30日 AFP】米南部沖のメキシコ湾(Gulf of Mexico)で英エネルギー大手BPの石油掘削施設が爆発・水没して原油が流出している事故で、BPは29日、流出食い止めのための「トップキル」作戦が失敗に終わったと発表した。米史上最悪の原油流出を食い止める取り組みはふたたび大きく後退した。

 BPと米連邦政府当局者は、原油流出を止める新たな対応策に移行中だと述べた。しかし、実行に移すまでに、少なくとも4~7日間かかるという。

 トップキル作戦は、海底の流出穴に泥状の物質を大量に流し込んで原油流出を抑え込み、最終的にコンクリートで穴をふさぐ計画だった。

 作戦が失敗した理由について、BPの原油除去作業を指揮している同社のダグ・サトルズ(Doug Suttles)最高執行責任者(COO)は、「確かな理由はわからない。原油流出を持続的に抑え込むことができなかった」と述べた。

 事故発生以来、少なくとも2000万ガロン(約48万バレル)の原油が海に流出し、メキシコ湾沿岸部では環境被害や経済への打撃が懸念されている。(c)AFP/Allen Johnson

【図解】BPの「トップキル」作戦とは?