【4月11日 AFP】オーストラリアのアンソニー・アルバニーズ(Anthony Albanese)運輸相は11日、オーストラリア沖合にある世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)の近くで中国船籍の石炭運搬船が座礁して大量の重油が流出したことについて、責任者が起訴されるとの見通しを示した。

 中国船籍の「深能1号(Shen Neng 1)」は3日、6万8000トンの石炭を積んでオーストラリアから中国に向かっていた際、本来の航路から約30キロ外れたグレートバリアリーフ海洋公園(Great Barrier Reef Marine Park)のダグラス礁(Douglas Shoal)で座礁し、燃料として積んでいた約3トンの重油が流出した。

 同運輸相は、座礁した船を空から視察した後ブリスベーン(Brisbane)で記者団に対し、「この船が違法な航路を航行していたことは明らかだ。責任者を厳しく処罰する」と述べた。また、オーストラリア政府として汚染除去にかかった費用の補償を求めていく方針であることも明らかにした。

 現在、船内に残った約1000トンの重油をポンプで抜く作業が続けられている。アルバニーズ運輸相は、早ければ12日にも船を離礁させるかどうかの判断が下されると述べた。

■パナマ船籍の貨物船の3人も逮捕

 オーストラリア警察は11日、パナマ船籍のばら積み貨物船「MV Mimosa」が前週、許可無く海洋公園内の進入禁止海域に入ったとして、同船から航法器機と海図を押収し、韓国人1人とベトナム人2人を逮捕したと発表した。近道をするため禁止されている海域に入った疑いがもたれている。

 最大で22万豪ドル(約1900万円)の罰金が科される可能性がある。オーストラリアからアジアへの資源輸出が増えていることから、同国の港を利用する貨物船の数も増えている。(c)AFP